【MOVIE】『ゼロ・グラビティ』圧倒的な無重力感と「逆境」へ立ち向かう心

ゼロ・グラビティ [DVD]
ゼロ・グラビティ [DVD]
Amazonプライムビデオにて観賞。
2013年公開の映画。

当時、映画館で観たかったけど観れなかった。
★★★★☆ 4.2

公式サイト
【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ゼロ・グラビティ
※以下、ネタバレを含みます

これはやはり映画館で観るべき作品だった

・中国の宇宙実験施設「天宮1号」、大気圏再突入へ – BBCニュース
・操縦不能「中国の宇宙実験室」が地球に落下、4月1日前後に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
・【緊急滅亡】4月1~7日に中国衛星「天宮1号」が地球落下ほぼ確定! 日本も落下エリア、猛毒「ヒドラジン」大量放出&滅亡へ!
この映画を観たタイミングでちょうどこんなニュースもあって、タイムリー過ぎるにもほどがある(笑)

圧倒的な「無重力感」と映像と音響による「孤立感」から来る「恐怖」。
これまでの自分には、宇宙=無限の可能性、未開のフロンティアといったポジティブなイメージしかなかった。しかし、そんな価値観は木っ端微塵に打ち砕かれた。

地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。

引用元:解説・あらすじ – ゼロ・グラビティ – 作品 – Yahoo!映画

邦題では「ゼロ・グラビティ」だが、原題は「gravity」であり、「ゼロ」はついていない。
観終わって感じるのはやはり「gravity=重力」だ。テーマとして主なのは「無重力」ではない。

Nasa 43566 unsplash

映像と音響によるシンプルな演出

今の技術でいえば、どんな音でもどんな映像でも、CGによって再現することができる。
それはもうこどもでも知っているくらいに周知のことだ。
しかし、だからこそ、あえて「無音」であることでリアルさが増しているという、このことにこの映画のすごさがある。見事な対比である。

宇宙空間では光も音も感じることができない。
酸素もないし、温度的にも人間が生命を維持することができない。
当たり前のことだし、理解はしているのだが、実際に宇宙空間に身を置いたことがないのでピンとこない。
だが、この映画を観ると、あたかも自分が宇宙空間にいる、という錯覚を起こしてしまう。

そこで感じるのは「地球の美しさ」ではない。
ものすごい「孤立感」であり、「寂しさ」である。

Nasa 45074 unsplash

あのリアルな無重力空間はどうやって撮影されたのか?

(23) 映画『ゼロ・グラビティ』驚きのメイキング映像 – YouTube


いくらCGだと言われても、信じ切れない自分がいる。
メイキングを見ると、たしかに身体をワイヤーで吊っている。
現実的に考えれば本当の無重力空間で撮影できたわけではないだろうから、ワイヤーで吊って背景はCGで合成して、というのは、頭では分かっている。
だが、映画本編を見れば見るほど「本当に宇宙で撮影されたのではないか」というくらいに「無重力感」がすごい。
主人公を演じたサンドラブロックはワイヤーで吊られていながら吊られたように見えない演技をしていたというのだ。

こんなにリアルなのに、実際はかなり演出されている

映画ゼロ・グラビティについて : 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社
によると、いくらリアルだといっても、実際にはあんなことありえない、ということが多々ある、というのだ。
例えば、軌道傾斜角が違う、スペースシャトルの飛行姿勢が誤っている、飛んできた残骸が通信衛星だと言うのは変、SAFERの装着なしでの船外活動は違反行為・・・。
「船外活動ユニットを使って自由飛行で輪を描いて飛行している」点については、

宇宙では直線運動は簡単なので、少量の燃料でも有効に活用できますが、輪を描いて飛行するというのは非常に難しいことです。噴射装置(スラスター)をほぼ連続噴射しながら常に運動ベクトルを変えていく事になるのですぐに燃料切れになります。 輪を描いて飛ぶなら中心点にテザーをつないで飛行するのが一番楽ですが、宇宙開発関係者ならあれをやりたいので開発してと言われたら卒倒してしまうほどの難易度です。

引用元:映画ゼロ・グラビティについて : 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社

ということらしい。
ただ、こき下ろしているわけではなく「宇宙空間での描写を描いた映画の中では間違いなくこの映画は一番良い出来」としていることから、撮影の技術的な難易度と完成度に関してはお墨付きと言っていいだろう。

Artur dyadchenko 582550 unsplash

テーマは「逆境」へ立ち向かう気持ち

メイキング映像でもスタッフは「逆境」を描きたかったのだ、という。

この映画はハリウッドでヒットする法則、すべてのルールを破っている。まずは2人しか登場人物がいないこと。彼らが40代から50代であるということ。それからほとんどの舞台が宇宙空間であるということ。1時間くらいは画面にひとりしか登場しない。

それにアクション映画なのに、女性が主人公で、ほとんど彼女の顔はバイザーの奥になっていて、顔が見えづらい。さらにマイクを通した声は圧迫されたものになっている。モンスターだって出てこない。これは絶対にヒットするぞといった要素が、この作品にはことごとく欠けている(笑)。やはり投資する側としては、これはどうかなと思うたぐいの作品だと思う。

引用元:映画『ゼロ・グラビティ』がすごい理由 | 映画界のキーパーソンに直撃 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

たしかに、まったくハリウッド的ではない。
しかし、テーマ性自体は実にハリウッド的王道でもあるのだ。

若い人ももちろんだが、それだけでなく老いも若きもどの世代にも響くんじゃないかな。誰の人生にも逆境はあるはずだからね。ひとつ言えるのは、逆境が人を成長させるということだ。本作の主人公である女性に、実際に宇宙に飛ばされてしまうかもしれない逆境が訪れる。しかし彼女はあきらめるのではなく、「生きる」ことを選択するんだ。そのことによって、さまざまな可能性が生まれてくる。それともうひとつ。アルフォンソの作品で感じてもらえることだと思うが、登場人物は過去に生きるのではなく、未来に生きるのでもない。まさに今という瞬間を生きているんだ。

引用元:映画『ゼロ・グラビティ』がすごい理由 | 映画界のキーパーソンに直撃 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ヒーローも悪役もいないし、いったいどうやったら生き延びることができるのか、まったく希望が見えないシーンが続く。
それでも主人公は諦めない。
いや、諦めかけるシーンもある。

どうにか船内に戻ったライアンはソユーズを発進させようとするが、姿勢制御で燃料を使い果たしてしまったためエンジンが作動しない。AM無線で救助を求めると、地球の電波を拾ってしまい、アニンガという人物と繋がる。赤ん坊をあやすアニンガの声で死別した娘を思い出したライアンは、彼女がいるであろう死後の世界に思いを馳せ、死を覚悟して船内の酸素供給を止め、目をつぶる

引用元:ゼロ・グラビティ (映画) – Wikipedia

Nasa 63032 unsplash
どうして主人公はあれほど繰り返される「逆境」に立ち向かえたのか?
それはテーマである「gravity=重力」によるものではないか、というのが私の感想だ。

地球という美しい星の「重力」。
生命を維持できる、生命をつなぐことができる星としての地球が、あらゆるものを「引き寄せて」いる。
主人公は娘と不条理な死別をしているが、想いや気持ちは「宇宙(そら)」にあるのではなく、暮らしていた地球にあるのだ。

とかく人生は思い通りにはいかないことがほとんど。
不条理で理不尽で、先が読めないことばかり。
そのような状況で何を大切にして生きていくか。
ブレることなく信じられるもの、ゆるぎないものを持つことができるかどうか。

将来を案じて先回りして「投資」することも時には大切かもしれないが、
「いま、ここ」で全力を出すことこそが本当に大切なことなのだ。
と、星空に想いを馳せてみるのもいいだろう。

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