レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術 [単行本(ソフトカバー)]
こういった方には、とてもいい刺激になる本だと思います。
本書は2007年に発刊されたビジネス書なので、すでに多くの人に読まれている本ですが、いまさらながら読んでみました。
いろいろと考えさせられたので、メモ。
目次
はじめに
第1章 常にレバレッジを意識せよ
トレーニング不足のビジネスパーソン
なぜあなたの成果が上がらないのか
レバレッジという考え方
四つのパーソナルキャピタルを構築する
DMWLを常に意識せよ
パーソナルキャピタルとマインドを兼ね備えよ
ゴールを定め、「しないこと」を見つけよ
アクティブに行動せよ
自分の現在位置を知ろう
DMWLのバックボーン第2章 労力のレバレッジ
労力のレバレッジとは何か
仕組み化のメリット
マニュアルとフォーマットの重要性
逆算発想のチェックリスト
無意識化・習慣化が成功のカギ
大きな習慣をつくるには小さな習慣から
習慣チェックリストと数値管理
KSFを見極める
八〇対二〇の法則とKSF
俯瞰逆算思考でKSFを見つけよ
二毛作でさらなる効率化
自己暗示と言葉のレバレッジ
エクササイズのレバレッジ第3章 時間のレバレッジ
時間のレバレッジとは何か
時間は投資によって増やすことができる
俯瞰逆算思考で立てるレバレッジ・スケジューリング
俯瞰逆算思考で生まれるタスク
時間のルーチン化
投資中心のわたしの時間割
自己投資の時間を天引きに
タスクには制限時間を設けよ
時間の固定費を削れ
睡眠の科学
テクノロジーのレバレッジ第4章 知識のレバレッジ
知識のレバレッジとは何か
一から一〇〇を生む
成功者はみな前例にレバレッシをかけている
時間に限りがあるから学ばざるをえない
自分に似たタイブから学ぶ
自己投資法としてのレバレッジ・リーディング
本の内容を実践してこそレバレッジがかかる
その他メディアとのつきあい方
スクール、セミナー、通信教育とのつきあい方
外部のノウハウにレバレッジをかける
レバレッジ・ミーティングのすすめ
会社を回復させたレバレッジ・ミーティング
レバレッジーメモで投資を行う第5章 人脈のレバレッジ
人脈のレバレッジとは何か
基本はコントリビューション
コントリビューションベースの人脈づくり
会の主催でパワフル・コネクションを
自分のブランディングを行う
マインドの高い集団で伝染する
他人の力にレバレッジをかける
経験者・実践者をアドバイザーにせよ■レバレッジ・シンキング おすすめブックリスト
■レバレッジ・シンキング チェックリスト
第1章 常にレバレッジを意識せよ
まず、第一章で「レバレッジ」という考え方の基本は「アクティブになる」ことだと説く。
そして少ない労力と時間で大きな成果を得ることを「Doing more with less(DMWL)」と定義している。
DMWLは大きく分けて4つの分野があり、それぞれ、
とし、これらのパーソナルキャピタル(自分資産)を構築せよとしている。
従来の考え方は
労力・時間1に対して成果が1
であるが、対して、
「レバレッジ・シンキング」では、
労力・時間1に対して成果は無限大となる。
DMWLは単純に手を抜くとか、楽をすることを目指すものではありません。
あくまでも成果を上げることが前提で、結果として余裕が生まれるのです。
さらにその余裕を投資に回すことでより成果が上がってゆく。
つまり「複利」の考え方。
*カラーバス効果
「カラーバス効果」とは、ある色について注目していると、次々にその色が目に入ってくる、という効果。
例えば車を買おうと考えていて、お気に入りに車が赤だったとすると、その後やたらと赤い車が目に付くようになる、など。
急にその色がまわりに増えたわけでもないのに、気になってしまいますよね。
それを利用して、自分の目標・ゴールを明確にすることで、アンテナの感度が上がり、チャンスを敏感にキャッチできることを意味しています。
チャンスは至る所にあるが、それに気づくか気づかないかは、どれだけ明確にゴールをイメージできているか、によるのだと。
*アクティブとパッシブ
アクティブ=能動的
パッシブ=受動的
本を読む、テレビを見る、スケジューリングなどもアクティブに行うことで身につく。
仕事の習慣化・仕組化=ルーチン化もアクティブに。
「アクティブにテレビを見る」というのは、例えばハードディスクレコーダーに番組を録画しておいて、自分の都合のよい時間に見ることだったり、2倍速で見たり、ところどころ早送りしながら重要そうなところだけをピックアップしながら見ること。
そうした「アクティブ」な視聴はインプットが前提にあり、そのインプットはアウトプットが前提となっているので、無駄をできるだけ排除した視聴スタイルとなる。
たしかにCM前後の無駄な繰り返しVTRなどは、オンタイムで見ているとイライラしますからね。
第2章 労力のレバレッジ
*仕組み化のメリット
労力を最小にするという観点から、徹底的に無駄を省き、「仕組化」をすることが大切。
うまくいったやり方を仕組み化すると、再現性があり、毎回ゼロから考えなくてもよい。
*マニュアル化することに否定的な意見があるが、マニュアルは全体のレベルを底上げすることが目的。
マニュアル自体が悪いのではなく、使い方が問題。
*逆算発想のチェックリスト
ゴールから逆算してやるべきことをリストアップ。実行する際は考えずに行うことで、均一なレベルを保持できる。
たしかに実行段階でいろいろ考え始めると、つい「やらない言い訳」を考えてしまうので、考えずに実行できるまで手順を細分化してある意味機械的に行うほうがいいですね。
*大きな習慣をつくるには小さな習慣から始める
一旦習慣にできても、ちょっとしたことで崩れることがある。そういうときはまた小さなことから始めるとよい。
脳のトレーニングをして、脳の体力を鍛えるつもりで。
崩れたときのリカバリーってなかなかビジネス書では見ない項目ですね。
*KSF(キー・サクセス・ファクター)
本当に重要なものを知るための基準。
ゴールに到達するために必要なこと。やるべきこと。
*労力の二毛作を意識する
何かを行うときは別の何かを同時に行う。
食器を洗いながらPodcastを聴くとか。
参考:
◎【Podcast】私のPodcast活用法は「◯◯◯で聴くこと」+おすすめPodcast8つ | glad design blog 2.0
◎【iPod】iPhoneでPodcastを倍速で聴くコントローラーが出なくなったときの対処法 | glad design blog 2.0
*自己暗示をかける
「できる」と思い込むことは大事。
マイナスの言葉、ネガティブな言葉は発しない。
限界は実は自分が決めているだけ。
*日々のエクササイズを習慣化する
いくらマインドが高くても、体調が整わないと実力を発揮できない。
疲れたときこそ、トレーニングをすることで疲れがとれる。
第3章 時間のレバレッジ
時間があれば成果が上がる、というのは間違い、と著者は指摘しています。
実際はデッドラインを決めると、時間効率が上がるのだと。
つまり時間がないほうが成果が上がるのであると言い切っています。
たしかに締切りがあるから動く、ということがよくあります。
逆に締切りが無いと、時間配分が分からず、だらだらと過ごしてしまいがちですね。
そして著者はこうも言っています。
時間は貯めることができないが、レバレッジをかけて増やすことは可能である、と。
*時間の投資
(1)俯瞰逆算思考・レバレッジスケジューリング
まず最初にゴールを設定し、ゴールに到達するために必要なタスクを割り出していく、逆算型タスクリスト。
目の前のことを次々とさばいていく積上型タスクリストでは、成果につながるかどうかの選別ができない(やるべきこととやらなくてもいいことを分けることが大事)。
つまり無駄を省くことが近道なのですね。
(2)時間のルーチン化
時間割を作り、それに沿って行動する
行動するときは何も考えない・考えなくてすむ
「次は何をしようか」と迷う必要がない。
イチローのバッターボックスに入ったときの動作のように、一連の動きをルーチンとして処理することで、常に同じコンディションを維持できる、という効果があるようです。
たしかに、学生のころは決められた「時間割」があって、それが普通でしたから、次になにしよう、と考えること自体がありませんでしたね。
フリーランスだと、誰も時間割を決めてくれません。自分で決めないといけません。
なので最初にじっくりと時間をかけてもいいから時間割を作るのがいいのでしょうね。
*余った時間で自分への投資に当てよう、と考えていると、なかなか投資できない
先に投資の時間を確保しておき、事前にスケジュールとして組み込んでおく。
給与天引きで財形貯蓄をするように。
これはちょっと耳が痛い話(笑)まったく出来てないので、改善しないと。
*タスク(仕事)にはデッドラインが必要
時間制限を決めることで脳の基本回転数が上がる。
子どもの勉強にも応用できる。
デッドラインを決めることで、必要不必要の取捨選択に迫られる(最低限これとこれはやらないといけない、など)。
時間を計測するアプリが人気なわけですね。
aTimeLogger 1.7.7(無料)
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
aTimeLogger 1.7.7
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料
更新: 2011/05/10
第4章 知識のレバレッジ
初めての目的地に車で移動する際、地図やカーナビで事前に調べてから出発するが、人生や仕事に関しては、事前調査をしない人が多い。
「知識にレバレッジをかける」というのは、「1から100を生む」こと。
「0から1を生む」のではない。
天才を除いて、多くの凡人が成功するには、誰か成功した人のやり方を学んで、自分なりの応用を加えている。
ビジネスでは「0から1を生む」ことに陥りがちだが、成果を上げるには「1から100または無限大」という発想が必要。
これは従来から常々思っていました。
何かを始めるときはまず、模倣から入るのが普通だと思っていますが、世の中ではなかなかそうは思われないようです。
「1から100を生む」わけですから、最初の「1」を見つけることも、努力の内。
簡単に「1」が見つかる保証もありませんから、もっと貪欲に「1」を見つける努力をすべきでしょう。
*レバレッジメモを録る
レバレッジメモとは、本を読んで自分の課題解決に役立ちそうな情報を集めたもの=自分の人生の攻略本。
このブログもレバレッジメモに則って、読みながらメモしたものを再編集しています。
*本から得たノウハウをレバレッジメモにまとめて、繰り返し読むことで反射的に行動できるようにし、実践でどんどん活用していくことが大切。いかにアウトプットするかが勝負。
第5章 人脈のレバレッジ
大切なのは、相手にどんなバリューを提供しているか、という点に着目しなければならない。
誰を知っているか、ではなく、誰に知られているか。が大切。
*人脈の基本はコントリビューション(貢献)。
相手に対して何か貢献できるものがないといけない、と説きます。
そして目からウロコというか、苦い経験が蘇ったのですが、
「貢献できるものが無いときはアプローチしないこと」という一文。
闇雲にアプローチして、話が続かなくて、それっきり・・・・というパターンがよくありました(汗)
自分の想いだけで突進するのではなく、相手に対しての貢献を考えるべきでした。
*関係性ができたら、不定期でもいいので交流を続けること。
続けるほうが難しい。
続けていくとネットワークが広がり、レバレッジネットワークが生まれる。
参加者全員にメリットがあり、レバレッジがかかるネットワーク。
「六次の隔たり」にもあるように、つながりは大切である。
*会を主催することで「濃い人脈」ができる
主催するときに注意すべきは、セグメントを行うこと。
参加者の属性を絞ることが効果的。
これは別の著者の本ですが、「勉強会へ行こう」という本にも書かれてありました。
勉強会に参加するだけでなく、自ら主催すると、もっと実りがあるようです。
勉強会へ行こう!――「会社を辞めても困らない人」になるスピード成長法 [単行本(ソフトカバー)]
*会ったその場で相手のことを知っているという状況をつくるのが主催者の仕事
事前に相手のことがわかるような資料を用意しておき、参加者全員に周知しておく。
逆に自分が参加者であれば、相手に知ってもらえるような資料を用意しておく必要がある。
さらに一歩進めて、自分をブランディングすることも大切。
ブログ、Twitter、Facebookといったソーシャルメディアを活用した「オンライン」での「自分表現ツール」はもちろんですが、「オフライン」でのツール、例えば「名刺」などもしっかりと考えて用意したほうがいいと思います。
意外とオフラインでのツールってあるようで無いんです。
◎あなたのファンを創る パーソナルブランディングツール ペルソナ名刺 | glad design
最後に。
この本には「おすすめブックリスト12」という付録ページがありました。
これもある意味「レバレッジ」の効いた読書術というわけですね。
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本田直之氏の著作は内容がダブっているという指摘が多いようです。
僕は他には「レバレッジ人脈術」という本も読んでいますが、たしかに一理あります(笑)
ただ、読んで無駄だったとは思いませんでした。
それは今回ご紹介した本「レバレッジ・シンキング」は著者の考え方を大きな括りで解説してある、という位置づけなので、個別に深く考えてみたい、知りたい、という場合は、それぞれの項目において、深読みできる著作がありますので、そちらを読むのがよいと思います。