【MOVIE】2023年に観た映画感想メモまとめ
今年も早いもので終わりである。
2023年に観た映画は19本。
「Filmarks」というWEBサービスで記録をつけている。
ブログで書いたものもあるが、書いていないものもある。
なお、ネタバレ前提で書くのでご注意されたし。
★の評価は観終わった直後の気分でつけているので、参考になるのかならないのかはあなた次第なので文句を言われても知らぬ。
今年も早いもので終わりである。
2023年に観た映画は19本。
「Filmarks」というWEBサービスで記録をつけている。
ブログで書いたものもあるが、書いていないものもある。
なお、ネタバレ前提で書くのでご注意されたし。
★の評価は観終わった直後の気分でつけているので、参考になるのかならないのかはあなた次第なので文句を言われても知らぬ。
2024年1月開始ドラマの個人的に気になったドラマリストである。
今クールの注目は大河新作を含めて18本。多い。多すぎる。全部観れるわけがない。
年末年始のスペシャルドラマは対象外。連続ドラマだけに絞ってある。
最終話まで見ることになるのは何本だろうか。
2023年10月開始ドラマの感想メモである。
最後まで見たドラマは今季は7作品であった。
パソコンを持ち歩いてカフェをウロウロしながら仕事をする、といういわゆる「ノマドワーカー」の話ではない。
2008年のリーマンショックによる経済恐慌の煽りを受けたリタイア世代が生活のために家を売り払うこととなった。
多くが自家用車に最低限の家財道具を積み込んで寝泊まりしながら、季節ごとの仕事を求めて各地を”遊牧”することになる。
安い時給の肉体労働をしながら各地を転々とする「現代のノマド」たちは、それでも同じ境遇の”仲間”たちと互いを支え合うことを忘れてはいなかった。
生真面目で何不自由なく暮らしていた専業主婦は、なぜ巨額の横領事件を起こしてしまったのか。
梅澤梨花が求めていたのは恋か、愛か、温もりか、安心か、それとも確固たる自分自身だろうか。
そしてそれはお金で買えるものだったのだろうか。
疾走する焦燥感が胸にせまる長編サスペンス。
生きづらい、と感じるのはいつも決まってマイノリティの側だ。
人生の大半を刑務所で過ごした主人公・三上は13年ぶりに出所し、保護司のもとで自立を目指す。
そこに三上の更生をテレビ番組にしよう企むマスメディアが近づくが、知れば知るほどこの世界の生きづらさの仕組みが見えてくる。
社会の片隅で生きる人間の小さな「やり直し」の物語は、自分自身の問題として私は捉えた。
なんという瑞々しい文体だろうか。
冒頭からその若さが溢れ出ている。
“推し”のアイドルがファンを殴ったという情報がSNSで拡散し炎上する、という風景から物語は始まる。
推しに全ての時間、アルバイト代、興味関心を捧げた先に彼女は何を見たのか。
希望と絶望との狭間で揺れ動く幼年期の終わりは来るのか。
第164回芥川龍之介賞受賞作。
宇佐美ではなく宇佐見、『推し燃ゆ』ではなく『推し、燃ゆ』である。
本作が2作目で、史上3番目の若さでの芥川賞受賞ということで話題になった。
デビュー作『かか』は2019年に第56回文藝賞を受賞、2020年に第33回三島由紀夫賞を史上最年少受賞している。
こういう人を「天才」と呼んでも差し支えないだろうと思う。
人類はなぜ戦争をするのか。
もっとミニマムに言えば、人はなぜ争うのか、とも言える。
それは、神が人間を造ったのであれば、致命的なバグがあるからだ。
戦争の愚かさを絵筆一本で描き、その存在自体が強烈なメッセージを放つ作品。
それが『ゲルニカ』。
1937年4月26日スペインのゲルニカ空爆前後と2001年9月11日アメリカ・ニューヨークのワールドトレードセンター空爆の前後という二つの時代を行きつ戻りつしながら、時代を超えてピカソを愛した2人の女性の視点で紡がれる物語。
令和版『楢山節考』なのか。
75歳以上の後期高齢者に自ら生死の選択を保証する制度「PLAN75」が国会で可決・成立した日本。
少子高齢化が社会問題として深刻さを増す時代、解決策のひとつとして導入された制度に翻弄される人々を描く衝撃作。
第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、新人監督賞にあたるカメラドールのスペシャル・メンション(特別表彰)を受けた。
星が人を惑わすのではなく、人が天の理を誤っているのだ。
天の定石を正しく知ることが「天地明察」である。
碁打ち衆四家の安井家嫡男である春海は武士ではないのに帯刀を命じられながらも、日々算術に心惹かれる。
ある時、神社の絵馬に描かれた算術の難問を一瞥して即解答する存在に心奪われる。
本人の意思に関わらず徐々に時代を覆す大きな仕事に抜擢され、ついには日本の全てを司る暦を打ち立てる。
時代に選ばれ、時代を作った男の、友情と信念の大河浪漫である。
3人の主人公の「正しさのかけ違い」を描いた作品として読んだ。
法の世界を舞台としたゲーム(遊戯)感覚のリーガルミステリ作品、といえば収まりがよいが、言葉の響きほど軽くはない。
多層的な人間の感情が重なり合いながら、心の襞が形作られ、最後には崩壊する。
そんな哀しく刹那い物語だ。
出てくる登場人物のほとんどが「クズ」である。
本作は主要な登場人物たちが、それぞれの視点からの語り口で紡がれている。
派手なパフォーマンスで再生回数に取り憑かれている告発系ユーチューバーである「佐藤純」こと「ジョン」、関西弁のろくでなし架空請求業者の「栗山鉄平」、退屈な毎日をただ無為に過ごしている女子高生「眞田萌花」。
同じ出来事であっても、視点が違えば全く違う意味で伝わってしまう。
セリフのひとつひとつが、ジョンからの視点と鉄平からの視点では全く違った意味を持っている。
知っていたのは、道尾秀介の代表作で、話題になってかなり売れたということだけだった。
それ以外はほとんど予備知識なく読み始めてしまった。
後から分かったことだが、どうやら賛否両論ある作品らしい。
確かに、これは読むものを選ぶし、他人に勧めやすい作品ではない。
あらゆる小説には、それを読むのにふさわしいタイミングがある、というのは積読中毒者である私の言い訳に過ぎないのだが、本作は確かに、読むべきタイミングがあり、その良きタイミングで読むことができたという意味では幸福であった。
「人間五十年」とは言うものの、現代を生きる我々は「人生百年」とか「リスキリンング」だとか言われて、まだまだもがいていかなくてはならない。
仕事、パートナー、こども、近隣との付き合いなどさまざまな関わりにおいて、どうにもならないことばかりが押し寄せる。
ここらあたりで人生を仕切り直し、再出発する、という選択肢があっても良いかもしれない。
そんなきっかけとなり得る一冊だ。
まず、初見で面白い作品だ、ということはわかったのだが、なぜ面白いと感じたのかを説明しようとすると非常に難しい作品だ、ということにも気付かされた。
だが、本作は『シンウルトラマン』同様に、孤独なヒーローが自閉の世界から人を信じることで成長する物語だ。
人が人を裁く上で最も重いとされている「死刑」制度。
人が人の命を法に基づいて奪うということは、どういうことなのか、という俯瞰した立ち位置からの是非ではなく、当事者性を持って「死刑」という制度とどう向き合うのかを描いた超傑作。
「やられたらやり返す」ことが、本当に正しいのか。
確定死刑囚がもし冤罪だったら、誰が責任を取るのか。
死刑を執行する刑務官の、職務とはいえ人を殺したという罪悪感は、誰が担うべきなのか。
誰にも正解がない問題と向き合い、完璧なまでの構成力で紡がれた圧巻のストーリーと結末。
第47回(2001年度)江戸川乱歩賞受賞作品。
NHKの大河ドラマを超えるスケール感、地上波の枠を超えた規模感、豪華キャスト、常識破りの放送時間延長放映、盛り上がる考察などなど、社会現象と言ってもいいくらいに話題となった。
他のテレビドラマのレビューは別記事に書いたが、『VIVANT』だけ保留としていたので、ここで記しておきたい。
2023年10月開始ドラマの個人的に気になったドラマリストである。
今秋クールの注目は朝ドラ新作を含めて16本。
この秋はやや少なめかと思ったが、意外とあった。最終話まで見ることになるのは何本だろうか。
2023年7月開始ドラマの感想メモである。 先んじてドラマ開始前時点でリストアップしているが、 【TVドラマ】2023夏(7月〜開始)ドラマリスト – Crazy One – glad design blog – ここで …
「家庭裁判所調査官」と聞いて、どんな仕事なのかを説明できる人は、そう多くないだろう。
それだけ普段の生活には馴染みがない職業である。
本書はその家庭裁判所調査官になる、前段階の「調査官補」が主人公の連作短編集。
家庭裁判所調査官に採用されたばかりの新人・望月大地は2年間の養成過程研修で九州・福森家裁に配属される。
新人ではあるが実際の少年事件を担当するなかで、表面には見えてこない心の内側に、その人にしかわからない真実があることに気づく。
それは必ずしも良いことだけとは限らない。
相談者と彼らを取り巻く家族との抗いがたい葛藤と苦悩を共に考え、向き合うことで、望月大地自身もまた成長していく物語。