【BOOK】『じんかん』今村翔吾:著 人間の根源を問う大河浪漫

これはもはや「大河ドラマ」である。
読み始めてすぐにそう感じた。
ひとりの男の一生を追う物語は、波瀾万丈と表現するだけでは決して表せない、重く太く深い何かがある、そう思わせたのだ。
「人はなぜ生きるのか」生涯をかけて問い続けた、その答えを、松永弾正久秀は見つけたのか。
本作は、人間とは何かを突きつける、今という時代に読まれるべき慟哭と賛美の書だ。