こういうサービスをやるならリクルートしかないだろうなと思っていたら案の定、リクルートだった。
「自分の住んでいる地域のチラシを無料で届けてくれるサービス」といっても理解できない人が多いのかもしれませんが、これはかなりすごいサービスだと思います。
なるべく簡単に説明しますと、リクルートが運営する「Town Market」というサイトがあります。
広告チラシをwebで検索!広告チラシ(ちらし)のタウンマーケット
このサイトでは、たとえば自分の住んでいる地域の郵便番号を入力すると、その地域に配布されている折込チラシがピックアップされます。
web上で自由に拡大したり、ページを読み進めていくこともできます。
「現実社会(リアル)の広告をweb上で検索・閲覧」できるのです。
ただ、単にweb上でチラシが見れる、というサイトは以前からもありましたが、このタウンマーケットがすごいのはwebだけではない、という点です。
横浜市・川崎市(※1)では、2009年1月16日(金)から、「地域の広告・折込チラシ+週刊TV番組表付き情報紙」を完全無料で週イチでポスティングしてくれるサービスが始まるのです。
(※1=横浜市・川崎市・町田市・相模原市が対象。但し町田市相原町・相模原市津久井町・相模湖町・藤野町は対象外。なお、町田市・相模原市ではすでにサービスがスタートしているそうです)
そもそもなぜ、新聞を購読していれば必然的に付いてくる折込チラシやTV番組表を、わざわざポスティングするのか、と疑問に思われるかもしれません。
それは様々な要因があると思いますが、大まかに言うとまず、
1.都市部では、ニュースはネットで仕入れるので新聞を購読しないという人が増えている。
2.新聞を購読していない人にも、テレビ番組表や折込チラシにはまだまだ需要がある。
ということだろうと思います。
1.に関しては最近に限った話ではないですし、インターネットが普及し始めたころから言われていたことです。
それが分かっていながら、何の改革もしてこなかった新聞社が自滅の方向に向かっているわけです。
つい最近も朝日新聞が中間決算で大幅な赤字を計上したというニュースがありましたね。
J-CASTニュース : 朝日新聞100億円赤字に転落 広告大幅落ち込み、部数 …
livedoor ニュース – 朝日新聞:08年9月中間期の純損益103億円の赤字 …
朝日新聞が初の赤字転落 – MSN産経ニュース
朝日新聞社が初の赤字決算、新聞事業が不振 : 経済ニュース : マネー …
「痛いニュース(ノ∀`):朝日新聞、純損益103億円の大幅赤字に…発行部数 …
2.が重要なポイントかと。
私の例でいうと、ウチでは以前、朝日新聞をとっていました。理由は「引越してきたその日に勧誘にきたから」。
もともと一番に来たところで購読しようと思っていたのでした(但し読売除く)。
といっても、熱心に新聞を熟読するタイプではありません。いちおう「新聞くらいはとっておこうか」というキモチが微妙に残っていたから、ということと、引っ越してきたばかりなので折込チラシで地域の情報を入手する必要があったからです。
しかし、けっこう強引な勧誘で、こちらがほぼOKしかかっていたタイミングで「2年契約で・・・」と言われ、仕方なく2年契約しました。
その2年が満了したので、契約を打ち切り、現在はSANKEI EXPRESSにしています。こちらは月極契約なので、毎月末の集金日に「来月はどうするか」を連絡しています。
そのSANKEI EXPRESSには、折込チラシは付いてきません。
それはSANKEI EXPRESSが首都圏の一部と関西圏の一部にしか配布されていない新聞なので、広告主からすると折込チラシを入れても効果が期待できないからです。
しかし、そうはいっても、狭い地域に限定した情報源としての折込チラシは、ちょっと気になる存在です。職業柄、いろんなチラシ・広告には目を通しておきたいということもあります。
例えば、今日の昼に行ったマクドナルドはたくさんの客で賑わっていました。いつも客が多いのでそれほど驚きませんでしたが、よく見るとみんな手にクーポン券のようなものを持っているのです。きっと折込チラシに入っていたのでしょう。しかしウチには折込チラシが入ってこないため、その存在を知らなかったのでした。
長講釈になってしまいましたが、「こんなサービスがあったら利用するだろうな」というサービスをそのまんま具体化してくれたような気がしたので、早速登録しておきました。
広告チラシをwebで検索!広告チラシ(ちらし)のタウンマーケット
対象地域の方はここから登録できます。
毎週金曜日にTV番組情報紙や地域の広告・チラシを同封して、自宅に無料で届けてもらえて、入会金・年会費・退会費用など一切なし、ずっと完全無料なので登録しておいても損はないかと。
リクルートがすごいのは、こういうサービスを実効できる組織の規模、とかではありません。
たしかに組織規模やノウハウはどこの企業も太刀打ちできないくらいのオンリーワン企業ですが、このサービスによって「チラシ・広告の業界を牛耳る可能性がある」と思えるのです。
電波媒体(テレビ・ラジオ)の広告類は圧倒的に電通が強く、博報堂とともに牛耳っています。まだあと10年くらいは安泰でしょう。
一方で紙媒体ではリクルートがますます勢力を拡大しつつあります。
一度現実社会(リアル)で作られ配布された広告・チラシをwebに再現し、それをまた現実(リアル)世界に再配布する。
モノ(広告・チラシ)が動けばマネーも動く。消費者への接触機会が増えれば購買行動が増え、マネーが動き、モノが動き、さらにマネーが動く。こうした流通経路の中にリクルートが身を置くことで莫大な利潤が発生していく・・・・。
「ニーズを突き詰めていけば自然とサービスが成り立つ」的なリクルートシステムはまだ死んではいなかったか。
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