いちおう「就活解禁日」というのが3月1日ということに世間ではなっているらしい。
まあ、そんなことを言っているのはごく限られた大手企業とマスコミ関係だけですがね。
就活をしている、あるいはこれからする学生さんに勘違いしてほしくないのは、「就活」の解禁日ではないってことです。いわゆる「後ろ倒し」と言われているのは、企業側の「採用」の解禁日です。採用活動をおおっぴらにできる日が3月1日から、というだけのことですので、お間違えのないように。「就活」は自分が思い立った時からできます。動けます。1年生でもいいんです。
自分が就職のためにすることはすべて「就活」ですからね。
というわけで、各就活ナビサイトのCMをクリエイティブな方面からツッコんでみる。
リクナビ2017
まずは、最大手ですね。リクナビから。
リクナビ2017|CMギャラリー
川口春奈が就活生演じる「リクナビ2017」CM「ブラスバンド」篇(30秒)
キャッチコピーは
「ひとりじゃない」
どシンプルで、なんかよさそう、なイメージがあって一般人受けしそうな雰囲気はあります。
映像もものすごくお金がかかっていることはすごくよく分かります。
でも、こういった「大企業からの上から目線」なCMが果たして受け入れられるのかな、とも思います。
ターゲットはもちろん就活生自身だと思うのです。
リクナビに登録して使ってね、というのがこのCMの主旨でしょう。
だからこそ、同世代のタレントを使って、親近感を演出しているのでしょう。
もちろん、企業向けにも「ウチは採用に関してはリクナビから」と言いやすくするために、イメージをクリーンに、フレッシュな感じを出したい、からこそのキャスティングで川口春奈さんを起用したのでしょう。
なのに、なんだこの、「何も伝わってこない感」。
いちおう、リクナビは就活生を応援しています的なものはあるのでしょうが、あまりにもCM然としているというか、伝わってくるものが無いですな。
リクルートは過去にはもっとトンがった就活CMがあったのに。
私が好きなのはこれ。
山田悠子の就職活動編(前半戦)
山田悠子の就職活動編(後半戦)
あほですねー。これ、2007年あたりでしょうか。
そのころはまだ失われた20年の終わりごろですかね。
2006年のワールドカップ・サッカーから、日本代表を応援するサポーターと就活生を応援するリクナビ、というのをかけたのでしょうね。
「応援する」というコンセプトが明確で分かりやすいし、伝わってくるものがありますよね。
キャリタス就活2017
就活に、自分らしさをプラスする。 | キャリタス就活2017 | 新卒学生向け就活準備・就職情報サイト
DISCOのキャリタス就活2017のCMがこちら。
朝ドラ女優の土屋太鳳さんを起用。
キャリタス就活2017 CM「プラス気づき」篇 30秒
キャリタス就活2017 CM「プラス決意」篇 30秒
「プラス決意」編と「プラス気づき」編、どっちがどっちがわかんない。
ていうか、どっちも同じにしか見えない。
Creativeとしてはダメですねえ。
まあ、批判を気にすると、こういう無難な作りにしかできないのでしょうね。
企業の偉い人たちからOKが出なかったのでしょう。
キャッチコピーが複数あります。
「私の武器は、今まで生きてきた時間です」
「誰かに選ばれるんじゃない。私が未来を選ぶんだ」
という非常に「ベタ」な、ベタベタなコピーですね。
別にひねればいいとは思いませんが、あまりにも「ああ・・・・はい・・・で?」みたいな。
ただただ、土屋太鳳さんがかわいいということしか伝わってこない、ある意味「まれ」な作品ですね。
あ、お後がよろしいようで・・・・・。
マイナビ2017
#就活やってみよう エントリーはマイナビで。
マイナビ2017 – 学生向け就職情報サイト
就職情報サイト『マイナビ2017』 新CM発表会を本日実施|株式会社マイナビのプレスリリース
マイナビは2017年は内村光良さんを起用。
「就活生の君へ」と言いながら、メッセージが今ひとつはっきりとしない。
ナビサイトの立ち位置というか、ナビサイト使えよとは声高には言わないが、でもそういった下心が透けて見えてしまっている感じがある。
だからといってじゃあマイナビ使おうか、とはあまり思わないのではないか。
そこまでの煽りもないし、かといって強いメッセージもない。
中途半端というか、何のためにやっているんだろうと思ってしまいました。
2015年・2016年は有吉さんだったんですよね。
やっぱり有吉さんのほうがよかったと思ってしまいます。
有吉弘行が“ヤジ”飛ばす 就職情報サイト「マイナビ2016」CM
キャラクターによる部分が大きいが、それはそれを狙ってのキャスティングなのでしょう。
派手さはないけど、「やるしかないから、やるしかない」という強いメッセージは伝わってきます。
リアルすぎず、かといっておちゃらけてないし、上から目線でもない。
バランスがいい感じ。
あまりリアル過ぎると、見ていて辛くなりますから・・・・。
リアルな就活 批判受け東京ガス放映打ち切り
ストーリーとしてはいいんですが、あまりにリアルすぎると、炎上に向かってしまいますね・・・。
総括
大手各社の広告を通して見ると、2017年版は特に、炎上を怖がっているように見えます。
無難に、誰からも文句が出ないように、といった作りになっているように感じました。
就活の(というより大企業の採用活動の)スケジュールがコロコロと変わったり、大学内部でのシラバスやキャリア教育のあり方も試行錯誤していたり、学生にとっては何を頼ればいいのかよくわからない、そんな時代です。
だからこそ、大人がしっかりしないといけないと思うのですが、これらのCMに表れているように、大人側もどうすればいいのか、わからなくなっています。
そりゃあ強いメッセージなんて、出せるわけがないですね。
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