誰の得になるのか分からないが、2023年1月スタートのドラマを観たまとめを書いておく。
大河ドラマを除いて12本の第1話を全て観て、結局最後まで観たのは10本であった。
いくつかは惰性で観ていたものもあるが、Tverが無かったらここまで観ることはできなかったであろう。
以下、Facebookに投稿した第1話の感想と、その後、最終話までみた感想を少しだけ書いている。
Contents
大河ドラマは別格
●『どうする家康』
【日曜 後8:00】
大河なので1年かけて長い目で見ていきたい。が、馬で駆けるシーンはあれはいかんだろう。興ざめしてしまう。
→いまのところ、ちょっと撮り貯めて追いついていない。
長丁場なので焦らず見よう。
結局、1話しか観なかった
●『警視庁アウトサイダー』
【木曜 後9:00】
なんかつまらない。俳優のイメージとキャラクターのイメージが違いすぎて違和感が先行してしまった。多分もう見ない。
→結局、1話だけで以降は見なくなった。
●『Get Ready!』
【日曜 後10:00】
なんだかチープな印象が終始拭えなかった。漫画的というかコミック的というか。リアリティを感じる部分がほぼなかった。たぶんもう見ないだろう。
→結局、1話だけで以降は見なくなった。
どうも評判もよくなかったみたいで。
最後まで観た
●『ブラッシュアップライフ』
【日曜 後10:30】
かなり面白い。バカリズム節が炸裂している。前半のなんて事のない日常会話があれもこれも後半にかけてフックになっている衝撃たるや。期待大。
→非常に面白かった。今クールいちばん楽しめた。
いわゆるタイムリープものとひとくくりにするのは、ちょっと乱暴かもしれないが、人生を何度もやり直すという設定の中で、うまくいったり、うまくいかなかったり、あーこれが人生なんだなぁと言うご都合主義だけではない展開で、毎週先が読めない面白さがあった。
この世界線で最も感銘を受けたのは、世の中には天才と呼ばれる人は、実は存在せず、何らかの大きな功績を成し遂げた人は、実は人生を何周も繰り返しているのではないか、何事もコツコツと積み上げていく事で大きなことをやってのけることができる、そういった「地味な繰り返し」こそが大切なのだと言うことを示唆している点である。
実はあの大谷翔平ですら、最初から天才なのではなく、もしかしたら人生を10周くらいやっているのかもしれないのだ。
そう思うことで、ちょっとだけ人生が前向きになれるのかもしれない。
●『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』
【月曜 後9:00】
意外と良かった。北川景子の役がちょっとキレイごとすぎるきらいがある。少しくらい後ろ暗い過去とかあるといいのに。いちおう続きを期待。
→第二話以降、脚本が非常によく練られていて、見ていて飽きることがなかった。
北川景子の役は、最後までイノセントな役どころであったが、周りの生徒役のキャラクターや同僚教師役の山田裕貴の演技も光っており、物語に厚みが増した。
前半は、それぞれの生徒役にフォーカスした内容でキャラクターを浮き彫りにし、中盤以降はサスペンス要素もあり、展開のバランスが非常に良かった。
法律と社会正義と個人の心の葛藤を描き、かつそれをエンターテイメントとして見せた、非常にバランスの良いドラマだった。
●『大奥』
【火曜 後10:00】
さすがのNHKクオリティ。ぶっ飛んだ設定でどうなることかと気に病んだが、意外なほど整合性がとれていると感じた。冨永愛はど当たり役。格好いいにも程がある。
→このクオリティーは民放ドラマでは難しいであろう。舞台設定だけでなく、キャスティングも含めて大河ドラマ並みに金と手間ひまがかかっていることがよくわかった。
物語も、江戸時代でありながら、男女の役割が逆転した大奥の世界を描きながら、性差による偏見と役割(子を産む)の固定化に対する強烈なメッセージ性を感じた。
秋からはシーズン2が始まるということで、こちらも期待大だ。
●『リバーサルオーケストラ』
【水曜 後10:00】
令和版の「のだめカンタービレ」を目指しているんだろうなあ、と思っていたけれどそうでもなさそう。楽団員のうまくはないけど音はいい、というのをもう少しなぜなのかを素人にもわかるように表現してほしかった。続きに大期待。
→非常に脚本がよく練られたドラマだった。
それぞれのキャラクターも際立っていたし、各話ごとのテーマに合わせたクラシックの有名な楽曲がチョイスされており、クラシックに詳しくなくても楽しめた。
残念だったのは、主人公の恋愛要素が終盤にかけて強くなってきた点だ。物語の性質上も、構成の面でもあの恋愛要素は特に必要性は高くなかったのではないかと思う。
恋愛によって惹かれ合うふたり、という見せ方ではなく、真摯に音楽に向き合う姿勢とか、音楽を心から愛している資質とか、もっとそういう要素で落としどころを探ったほうがよかったのではないだろうか、と思った。
毎回、ストーリーに合うクラシックの楽曲がチョイスされており、クラシックに詳しい人はさらに楽しめたようだ。
サントラを清塚信也さんが担当されているとか。非常によかった。
●『100万回言えばよかった』
【金曜 後10:00】
ちょっと変わった設定がどうなるのだろうと心配したが、無難な感じにでまとめてあったという印象。ひとまずは続けて見るか。
→へんてこな設定ではあったが、最後までそれほど気にならずに見ることができた。井上真央が主演だった事が1番大きい。
前半までは、死んでしまって幽霊となった佐藤健が演じる直木がなぜか成仏できない、井上真央が演じる悠依とは直接的なコミュニケーションが何故かできない、松山ケンイチが演じる譲にはなぜか幽霊が見える、といったいわゆるホワイダニットを中心とした展開。
中盤以降は、ミステリー要素が強くなり、ぐいぐいと引き込まれていった。
最終回にはネット上では賛否両論があったようだが「人生のアディショナルタイム」と言う考え方が1番しっくりくるのではないだろうか。
今、この瞬間を精一杯生きる、という前向きな気持ちになれる良いドラマだった。
●『大病院占拠』
【土曜 後10:00】
なかなかおもしろい。主演が櫻井翔なのがいちばん心配。初回なのでいろんな種まきなのだろうが、登場人物がかなり多くてついていくのが大変そうな印象。
→最後の最後まで主演・櫻井翔が最も引っかかるポイントであった。
第3話か、第4話あたりで、もういいかな、という気持ちになったのだが、それでも何とか見続けられたのは、管理官役のソニンの演技が非常に良かったからだ。彼女の演技がなければ、早々にリタイヤしていた。
特に序盤の無理やりな設定や稚拙な演出、しょぼいCGなど、見るに耐えないところはたくさんあった。
シナリオは、味方だと思っていた人が実は敵だったり、敵だと思っていた人が実は味方だったり、といったような二転三転させる内容で、視聴者を揺さぶり、焦らしていく展開が続いた。
ただ、正直あまりにもリアリティーがないので、揺さぶられてもなんともないというか、見ていて私はかなり冷めていた。
最後は、なんとなく惰性で見続けてしまった。
●『ダ・カーポしませんか』
【月曜 後11:06】
いわゆるデスゲームそのまんま。現実味はあまりないファンタジーだが、人間の欲望と金と命という根源的なテーマだけに見せ方次第で面白くなりそうな予感だけはある。いちおう続きを期待。
→なんだかんだで最後まで見てしまった。
テーマがシンプルなだけにいろんな要素を入れ込んでもそれほど難しくはならなかったようだ。
だが、設定上、展開にあまり変化がつけられず、最後まで起伏はあまりなかったように思う。
●『星降る夜に』
【火曜 後9:00】
主人公二人の出会いのシーンだけが違和感あり。あれはファンタジーすぎるなあという印象。それ以外は吉高由里子の演技力で押し切った感がある。ストーリーは面白いはず(面白くなるはず)なので今後に期待。
→吉高由里子だったから最後まで見ることができた。
決してストーリーがややこしいわけではなかったが、ちょっと現実離れしすぎているようなところもあって、やはりファンタジーとしての距離感で見てしまった。
北村匠海が演じる聾唖者のキャラクターが、しゃべらないのに、画面上でやたらとうるさいと言うこれまでにない役どころで、そこは非常に新鮮だった。
恋愛ドラマではあるが、そこだけにフォーカスしたものではなく、どちらかと言えば多様性のある社会を描こうとしているように感じ、非常によかった。
●『夕暮れに、手をつなぐ』
【火曜 後10:00】
これだけ偶然を重ねられると少々辟易とするが、現代的な要素とコメディ要素のバランスはまずまず。だが、いくら田舎の子だからといってあんなに荒唐無稽な女子の表現はどうかと思う。炎上しそう。いちおう第二話は見る。
→恋愛ドラマという形をしたファンタジー要素が強めのドラマであった。
第1話から、「おいおい、そんなわけねーだろ」とツッコミたくなるようなところが多々あったが、もうこれはファンタジーなのだからと割り切って見ていた。
ひとつ、心に響いた点があるとすれば、ものを作る仕事やクリエイティブな作業に対するリスペクトや孤独感を丁寧に描写していた点だ。
誰に何を言われようとも自分の信じるものを作っていくという姿勢と、仕事として、ビジネスとしてクリエイティブな作業を行うこととの間で葛藤する姿には共感を覚えた。
信じられる仕事と信じられる友があれば、人生はそれだけで良いと思えるようなドラマだった。
●『リエゾン-こどものこころ診療所-』
【金曜 後11:15】
漫画原作と言うことで見ていたが、シナリオが非常によくまとまっていたと思う。
→基本的に1話、完結型で、それぞれのテーマによって、登場人物が抱える悩みや苦しさ、それをどういう風にひもといていくのか、そこにはどういう思いがあるのか、当事者として非常に興味深く見ることができた。
これといった正解がないと言う事柄に対して、ある一定の答えをドラマは示す必要があるが、それは非常にセンシティブな作業だと思う。
間違ったり、ミスリードしてしまうような表現はあってはならないなかで、作り手側の真摯な姿勢が見えるような作りだった。
(ドラマの動画がなかったので漫画原作のほうの動画で)