
【BOOK】読書を血肉にするインストール・リーディングのすすめ 書評:『読書は1冊のノートにまとめなさい』奥野宣之:著
読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング [単行本]
【BOOK】読書を血肉にするインストール・リーディングのすすめ 書評:『読書は1冊のノートにまとめなさい』奥野宣之:著
何の変哲もない100円ノートに読書のメモを録っていくことで読書の内容がみるみる頭に入っていく『インストール・リーディング』。著者独自のこの理論を実践的に解説した本である。
“「読みっぱなし」は読んでいないのと同じ”(p.1)
確かに、読んだものの、どんな内容だったかを説明できるレベルにまでは理解できていないことがほとんどだ。ただ単に「読書をした」「読了した」というだけでは何のために読んでいるのか分からない。単なる暇つぶしでしか無い。
僕らの時間は有限だ。時には休息も必要だが、休んでいないときは全力で何かを学びたいという知識欲旺盛な人にとっては、ちょっとした時間さえ惜しいのだ。せっかく時間をかけて読む本からは、できるだけ多く学び、自らの血肉にしたいのだ。
“多読・速読・・・読んだ1冊1冊から、きちんと自分なりになにかを学ぶということ”(p.5)
「本を読んだ」という事実だけを追いかけるのはもうやめよう。
時間がかかってもいい。数多く読めなくてもいい。
でもせめて読んだ本からは、できるだけ多くを吸収し、血肉にしよう。
“ノートを使うことで、以下のことが可能になります。
●「何となく」の読書ではなく、目的を明確にした主体的な読書ができる。
●本で読んだ情報を確実に自分のものにできる。
●昔読んだ情報や感想をいつでも自由に引っ張り出せる。”(p.18)
読むだけでなく、自分の中に「落としこむ」ことができる仕組みづくりの構築。
「主体的(アクティブ)な読書」は本田直之氏の『レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術』でも触れられていた。受け身(パッシブ)ではなく、自ら主体的に「選ぶ」ことが大切になってくる。
★【BOOK】最小労力で最大の成果を上げる考え方 書評『レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術 』 本田直之 著 | glad design blog 2.0
“思いつきメモ 分類・整理せずに、1冊のノートに全て書いていく”(p.21)
アイデアは思いついたときにすぐに書き留めるクセをつけたほうがいい、というのはどんな本を読んでもそう書いてある。確かにそうだと思う。ただ、常に自分の近くにメモ用紙やノートがある、という状態はなかなか作りにくい。小さな子どもがいるウチのような家庭では、無造作にモノを置いていると子どもに何をされるか分かったものではない。
そういう意味では、現代の万能メモとしてはiPhoneがいちばん理想的だ。
僕はメモアプリとして「FastEver」を使っている。とにかく起動が他のアプリと比べてダントツに早いのがいい。瞬時にメモできて、サッとEvernoteへ転送出来る。オフラインでも書いたメモはアプリ内に残せて、ネット接続時にアップできるので心配ない。
Contents
FastEver 1.8(¥230)
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
FastEver 1.8
カテゴリ: 仕事効率化
価格: ¥230
更新: 2011/05/25
あと、ブログの下書きなどには「PlaneText」を使っている。「DraftPad」も使い込んでみたいところだが、現時点ではDropBoxとの同期ができればいいだけなので、軽い動作の「PlaneText」を使うことが多い。
PlainText – Dropbox text editing 1.4.1(無料)
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
PlainText – Dropbox text editing 1.4.1
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料
更新: 2011/04/22
DraftPad 1.4(無料)
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.1 以降が必要
DraftPad 1.4
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料
更新: 2011/03/24
とはいえ、ある程度の分量を書こうとすると、iPhoneではやはり厳しい。なによりもスピードでは手書きに勝てない。
読書メモに関しては、手書きによる身体的な効用も考慮しつつ、手書きノートをしばらく実践してみたいと思う。このエントリーも手書き読書メモを基に構成している。
“書くことを継続するコツは3つあります。
(1)習慣化
(2)見返りを大きくすること
(3)自己流のアレンジ
です。”(p.25)
これまで読書ノートを作ってこなかったので、最初は「書く」ことに躊躇する部分があるかもしれない。ただそれは慣れるしかない、という側面もある。
何かを「やろう」と思った段階で「考える」というプロセスが入ると、「迷い」が生じてしまうので、なるべく「考えない」でルーチンで処理できるように、行程をシンプルにして、仕組化するのが良い。
そのために「ノートは1冊にまとめる」「時系列に書く」「分類・整理しない」というシンプルルールが大切になってくる。
情報を一元化するポイント
ラクである、続けられる、低コスト、必ず一箇所にある、あとで活用できる、オリジナルノートができる。(p.37)
整理整頓のために分類する(時間的な)コストや、あとから探すコストを考えると、ひとつにまとめてぶち込んでおけばいいというのは気が楽だし、第一にわかりやすい。
ノートに一元化する技術
速記法でラクして書く、大きな字で書く
つい綺麗に書こうとしてしまいがち。綺麗さは必要ないのに。
第二章 探書リスト
僕は本はAmazonで購入することが圧倒的に多い。
欲しい本は常に探していて、Amazonのほしいものリストに記入しているので、ここは飛ばす(笑)
気になる本は書店にて確認する。iPhoneアプリですぐに探せるし、レビューもチェックできる。
この本では、「探書リスト」を作成し、主体的に本を買うことを勧めている。
常日頃から欲しいと思った本をメモしておくことで、欲しい本と出会える確立がグンと上がる。
日々準備しておくことでチャンスをつかむのだ。
第三章 「読書ノート」で本と対話する
(3)読む (4)記録する
読書ノートは「続けること」に意味がある。
気が向いたときに適当な長さでつける。(p.84)
ランニングと同じで、いちばん最初のハードルを可能な限り低くすることがポイントとなる。
人は「迷う」とラクなほうへ流れてしまうので、考えずに実行できるよう、環境を整える。
人に教える目的で本を読むとよく身につく、という説があります。アウトプットを前提とすることでインプットの能力がアップするわけです。(p.85)
人に教える、ということは、自分の中にいったん取り込んで、咀嚼しないといけないので、理解度は飛躍的に高くなる。
やはりアウトプットは大事。
目的を「読了する」から「読書ノートを作る」に変えることで、自然と読書のアプローチが変化してくる。
「読んだから読書ノートを作る」のではなく、「読書ノートを作るから読む」(p.87)
目的を持って読書する
=能動的に読書する
=主体的に読書する
=パッシブではなく、アクティブに読書するスタイルに。
アウトプット前提に=ブログに書評を書くことを前提にするのもよい。
まさに今書いているこれ。
自分が本のどこに共感したのか、それに対してどう感じたのか、それだけにフォーカス(p.88)
他人のためでなく、自分のためのノートにする。
要は読書を自分にとっての「重要箇所を抽出する作業」にしてしまうのです。(p.92)
インストールするために絞る作業。
「抽出する」というと、なんだか味気ない気もしますが、事実、作業だけを考えていくと自然とこういう言い方になります。
エッセンスを抜き出す=キュレーションとも言えるか。
抜き書きするのは自分が「おお!」と思ったところ。
「なるほど」ではなく、「言われてみればそうだな」という箇所にしておくべき。(p.106,107)
新しい発見、新しい考え方が自分の視野を広げてくれる。
考えというものは必ず何らかの刺激に対するレスポンスなのです。(p.110)
何も無いところからは、何も考えは浮かばない、ということです。
本との対話=著者との対話、とも言えますが、抜き書きし、抽出する作業は自分との対話でもあります。
自分との対話、という言葉で思い出した。
随分古い話だが、村上龍氏がエッセイかなにかで書いていた。
ひとりで食事をするのは好きではない、という話。
飲食店というのは普通、複数人での食事を前提に作られていることが多い。
最近でこそ「おひとりさま」向けの店構えも多いが、ひとりで食事をするのが好きだ、という人はまだ多く無いだろう。
どうしてひとりで食事をするのが好きではないのか、というと、単純に「おいしいね」と言う相手がいないから。
相手がいないとどうしても意識は自分に向いてしまう。
自分に意識が向くと、自分と対話せざるを得なくなるからだ、と。
みんな、自分と向き合いたくなくて、相手を連れたり、本や雑誌を読んだり、音楽を聞いたりするのだ、と。
そういう意味では、「自分との対話」をあえて行おうとすることは、億劫なこととなるのかもしれない。
だが、よりポジティブにアクティブに行うことで、より自分を高められるのであれば、まったく損はない、と思う。
重要なのは本自体より、「読書体験」のほう。(p.114)
本を読んで自分の中に何らかの変化があったとしたら、重要なのは本そのものではなく、読んだという体験だということ。
「この本を読めば、いつもこういう気分になる」というシステムを組み立てておく。(p.115)
「Evernote 情報整理術」北真也 著 の中で、眺めるといつも元気になれるノートブックを作っておく、という件があるが、それと同じようなことかな。
読書体験は自分を作る要素。その体験を記録に残すことで、メンタルの面での安定化につながるのだろう。
精神を強く保つための工夫としてぜひ実践したい。
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第四章 ノートを活用して「アウトプット」
(5)活用する
「本にこう書いてあった」→情報の摂取
「本にこう書いてあったのを私はこう受け取った」→「読書体験」(p.118)
自分のレスポンスがあることで、血肉となる。
人はよく知っているから、しゃべったり本を書いたりするわけではない。
話したり文章を書いたりするから、より高度に「知る」ことができる。(p.121)
アウトプット前提のインプット。思考を分かりやすく再構築する。
インストールして書籍から離れる
「読書ノートを使ったアウトプット」は調理。(p.122)
せっかく残した読書ノート=食材(下ごしらえ済み)を使わないのはもったいない。
いつでも参照できるシステム(P.123)
索引のデジタル化(p.125)
これらはEvernoteでOK。
ライティングの技術を高めるためにも、「引用」を「自分の感想」と区別しておく。
読書ノートを使って構成を練ってから書くと、アウトプットの質が上がり、より読まれる文になることは間違いありません。(p.148,149)
読み手に理解されやすいように=アウトプットの質
引用と感想は分けるようにしよう。
情報を組み合わせてアイデアにする(p.150)
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』
情報はいくらあっても組み合わせなければアイデアは発生しない。
その組み合わせる技術自体は誰でもアクセスできる普通のものです。
「既存のもの」でないと、誰も理解できない。(P.150,151)
アイデア=組み合わせ例
組み合わせる情報から、どこまで有用かを瞬時に判断できること=キュレーション力
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第五章 生活を変化させる「応用読書」
ネットより「レファ本」が使える
「レファ本」というのはノンフィクション作家・日垣隆さんの造語で「レファレンスブック」「参考図書」のこと。
何かを調べるときの辞書の役割を果たしてくれる本のことです。(P.156)
→『使えるレファ本150選』(ちくま新書)
何かあったらすぐにネット検索、というパターンは全くといっていいほど手がかりがない、単語ぐらいしかとっかかりがない、という場合に威力を発揮する。
ある程度目星がついている場合は、レファ本で調べたほうが精度が高いといえるだろう。
しかし、保管スペースに限りがあるので電子書籍として持っておくのがよさそうだ。
第六章 インストールグッズ
便利グッズ
ここでは気になったグッズのみを抜き出す。
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住友スリーエム 貼ってはがせる糊
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No.12
HILTEX 一枚切りカッター セーフティマジックカッター
スクラップ用に切り抜き。
No.14
ミツヤ 目玉クリップ
本のページを開いたまま押さえておく。プラスティク製のものがよい。
あと、自分が使っているグッズとして、
MITSUBISHI PENCIL のボールペン『JET STREAM』がおすすめ。
書き味が圧倒的に軽くて使いやすいです。
いまやプロセラピストとなった @powerangix さんがおすすめしていたのでした。
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まとめ
◎読書を能動的にすること。
ノートを録りながら行うことで本の内容を自分の血肉にする、
「インストールリーディング」を続けよう。
◎その読書体験が自分を変えてゆく。
◎アウトプットを前提とした読書がインプットの質をアップさせる。
◎ノートは1冊にまとめる。
分類は必ず破綻するので、時系列に書いていくだけ、整理しない。
いつでもどこでも書く環境を。
★★★自分なりの工夫ポイント★★★
●読了したらノートを振り返って、より大事なポイントに赤線を引く。
●最後にはまとめを書いておく。
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