【MOVIE】『オデッセイ』サバイバルにはユーモアを


火星でのミッションの最中、トラブルによって取り残されてしまったマーク・ワトニーは奇跡的に生きていた。自らの知識と知恵で、自分以外誰1人いない火星で生き延びるサバイバルSF。

『プロメテウス』のリドリー・スコット監督が描く奇跡のSFサバイバル超大作!人類による有人火星探査計画<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹っ飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。独りぼっちで火星に取り残され、地球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のすべての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった……。

オデッセイ(吹替版)を観る | Prime Videoより引用:


冒頭の火星でのミッションから嵐に巻き込まれるシーンでグッと引き込まれる。
トラブルにより脱出に間に合わず、ワトニーはひとり取り残される。
残った設備を頼りに生き抜くために必要な食料などの在庫確認、計算上いつまで食料が持つか、何が足りないかを把握、実に合理的・効率的に計画を立てる。
このあたりはちょっとしたビジネスサクサスストーリーを見ているかのようだ。

だが、問題はこの後である。
主人公ワトニーが自分の全力プレーでサバイバルする姿は頼もしく、頑張れと応援すらしたくなってしまう程だ。
しかし、彼がなぜそこまでして生き延びようとしているのか、が描かれないのだ。
ハリウッド映画ではよくあるのが、恋人との約束、家族との絆などが主人公の守るべき大切なものとして描かれるが、本作ではそういった「守るべき大切なもの」が見えない。
強いて言えば、火星ミッションを共にしていたクルーたちの存在があるが、そこまで特別なエピソードは描かれていない。

物語のセオリーとしては、登場人物たちの行動の動機が明確でないと、ストーリーが分かりにくくなってしまう。
ワトニーがなぜそこまでして生きようとしているのか、生きるモチベーションが分からずモヤモヤしてしまった。

それでも最後まで飽きずに観ることができたのは、ワトニーがユーモアに溢れていたからだ。
どんなに困難な状況にあっても、必ずユーモア溢れる言葉とともに解決を諦めない姿勢があった。
火星という星でただひとり、という状況では死んでも誰にも知られることはない。これほどの絶望をユーモアで和らげ、ハリウッド的「諦めなければ願いは叶う」で最後まで押し切れたのは、マット・デイモンが看板だったからだろう。

「宇宙に取り残され絶体絶命、果たして地球に帰れるのかストーリー」はたくさんある1ジャンルである。
個人の好みではあるが、同ジャンルでは『ゼロ・グラビティ』のほうがよかった。

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