【MOVIE】『オデッセイ』サバイバルにはユーモアを
火星でのミッションの最中、トラブルによって取り残されてしまったマーク・ワトニーは奇跡的に生きていた。自らの知識と知恵で、自分以外誰1人いない火星で生き延びるサバイバルSF。
火星でのミッションの最中、トラブルによって取り残されてしまったマーク・ワトニーは奇跡的に生きていた。自らの知識と知恵で、自分以外誰1人いない火星で生き延びるサバイバルSF。
今年も早いもので終わりである。
2023年に観た映画は19本。
「Filmarks」というWEBサービスで記録をつけている。
ブログで書いたものもあるが、書いていないものもある。
なお、ネタバレ前提で書くのでご注意されたし。
★の評価は観終わった直後の気分でつけているので、参考になるのかならないのかはあなた次第なので文句を言われても知らぬ。
パソコンを持ち歩いてカフェをウロウロしながら仕事をする、といういわゆる「ノマドワーカー」の話ではない。
2008年のリーマンショックによる経済恐慌の煽りを受けたリタイア世代が生活のために家を売り払うこととなった。
多くが自家用車に最低限の家財道具を積み込んで寝泊まりしながら、季節ごとの仕事を求めて各地を”遊牧”することになる。
安い時給の肉体労働をしながら各地を転々とする「現代のノマド」たちは、それでも同じ境遇の”仲間”たちと互いを支え合うことを忘れてはいなかった。
生きづらい、と感じるのはいつも決まってマイノリティの側だ。
人生の大半を刑務所で過ごした主人公・三上は13年ぶりに出所し、保護司のもとで自立を目指す。
そこに三上の更生をテレビ番組にしよう企むマスメディアが近づくが、知れば知るほどこの世界の生きづらさの仕組みが見えてくる。
社会の片隅で生きる人間の小さな「やり直し」の物語は、自分自身の問題として私は捉えた。
令和版『楢山節考』なのか。
75歳以上の後期高齢者に自ら生死の選択を保証する制度「PLAN75」が国会で可決・成立した日本。
少子高齢化が社会問題として深刻さを増す時代、解決策のひとつとして導入された制度に翻弄される人々を描く衝撃作。
第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、新人監督賞にあたるカメラドールのスペシャル・メンション(特別表彰)を受けた。
星が人を惑わすのではなく、人が天の理を誤っているのだ。
天の定石を正しく知ることが「天地明察」である。
碁打ち衆四家の安井家嫡男である春海は武士ではないのに帯刀を命じられながらも、日々算術に心惹かれる。
ある時、神社の絵馬に描かれた算術の難問を一瞥して即解答する存在に心奪われる。
本人の意思に関わらず徐々に時代を覆す大きな仕事に抜擢され、ついには日本の全てを司る暦を打ち立てる。
時代に選ばれ、時代を作った男の、友情と信念の大河浪漫である。
まず、初見で面白い作品だ、ということはわかったのだが、なぜ面白いと感じたのかを説明しようとすると非常に難しい作品だ、ということにも気付かされた。
だが、本作は『シンウルトラマン』同様に、孤独なヒーローが自閉の世界から人を信じることで成長する物語だ。
昭和の終わりの広島の、仁義なきヤクザ社会の抗争とそれを「必要悪」として生かさず殺さず手玉に取る悪徳刑事・大上。目的のためなら手段をいとわない強引な違法捜査に呆れながらも、次第に大上の刑事としての「孤高の矜持」に惹かれていく新米刑事・日岡。警察とは、男とは、命とは何か。何もかもが薄汚れていて、何もかもがまぶしく見えたあの時代。男と男の魂のぶつかり合いに心揺さぶられる前代未聞の警察小説。
挫折を知った若き棋士がAI将棋ソフトを開発し、ライバルに再び挑む物語。
2015年に開催された「将棋電王戦FINAL・第5局」、実際のプロ棋士と将棋ソフトウェアによる戦いに着想を得て作られたが、ストーリーはオリジナルである。
AI=人工知能が人間を凌駕する、と言われて久しい。
chatGPTの劇的な流行で、より現実味を帯びている昨今、その歴史の転換点と言ってもいい将棋戦を極上のエンターテインメントとして魅せている。
主人公・清田英一の挫折と目覚め、人生を生きる喜びをつかみ取る中での苦悩と葛藤。
コンピューターや人工知能の専門用語、将棋の世界の厳しさなどに惑わされてはいけない。
これは人間の泥臭い汗の、匂い立つような青春の映画である。
血の繋がらない親子。
という設定だけを聞くと、お涙頂戴物のイメージが先行してしまうが、どうもそうでもない気がする。
2019年の本屋大賞を受賞。帯にも「著者会心の感動作」とある。
だが、私にはそういう感想はあまり沸かなかった。
どこにそんな感動ポイントがあったのか分からず、しばし悩んだほどである。
心臓に悪い。
正直これほどまでに「ハラハラドキドキ」がストレートな感想になる作品は他にないだろう。
原作なしのオリジナル脚本ながら一瞬も飽きさせない展開と、絶妙に全部を見せないがしかし地上波テレビでは放映できそうにないギリギリのラインを攻めるグロテスク表現、文句の付けようがない豪華キャスティング、それらを見事なバランスで成立させた近年まれに見るエンターテイメントの傑作だ。
第二次世界大戦時、ドイツ軍の最強の暗号「エニグマ」を解読したイギリスの天才数学者アラン・チューリングをモデルとした実話がベースとなったヒューマンドラマ。 天才であるが故に純粋で、マイノリティであるが故に孤独な、そして愛に …
今年も早いもので終わりである。 上半期のまとめを書いたので、下半期も書く。 なお、ネタバレ前提で書くのでご注意されたし。 ★の評価は観終わった直後の気分でつけているので、参考になるのかならないのかはあなた次第なので文句を …
自己犠牲と人類讃歌と愛
この映画を一言で言うならば「自己犠牲と人類讃歌と愛の物語」だと私は思った。
今年も早いもので折り返し地点になる。
今年は貪欲に映画を観て小説を読んでいる。
ここで2022年上半期のまとめをしておきたい。
映画を感想メモとして記事にすることもあるが、都度映画レビューアプリでメモしているので、そこから抜き書きしておく。
観終わった後、何とも言えない、胸の深い部分にドロドロとしたヘドロのようなものがべっとりと張り付いていて、それがボタボタと床に落ちていくような、そんな不快だけれど、これで少しつまりが取れて安堵できるような、そんな不思議な感 …
これほどまでの超大作でシンプルに感動した映画は初めてではないだろうか。 2014年公開の映画ながら最近AmazonPRIMEに追加されたので観てみた。 観たのは昨年末でちょっと時間が経っていますが、 さまざまな考察ブログ …
ものすごく今更感たっぷりなのは重々承知の上で、それでもまだ観てなかったことが何となく引っかかっていて、このコロナ禍で時間が作れたのでようやく鑑賞できた。
ゼロ・グラビティ [DVD] Amazonプライムビデオにて観賞。 2013年公開の映画。 当時、映画館で観たかったけど観れなかった。 ★★★★☆ 4.2 公式サイト 【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & …
Amazonプライムビデオにて観賞。 ちょっと古い、2006年公開の映画。 ★★★☆☆ 3.2 Babel – Trailer – YouTube ※ネタバレ含みますのでご注意ください。